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基本のテクスチャメイキング・食べ物編

この記事は、私のMODで評判が良かった小物を例に、私なりのテクスチャ作成工程を公開してみようという記事です。
特別な作り方をしているわけではありませんが、基本に忠実ですので、これからテクスチャ作りに挑戦される方、あるいは他の人がどんな手順でテクスチャを作っているのか気になる方など、何かしらの参考になれば幸いです。



  • 製作環境:
    • Photoshop CS4、CC
    • Illustrator CC
    • Blender ver2.94、2.76
    • Nifskope ver1.1.3、2.0 dev5

※この記事はあくまで「テクスチャ作成工程の一例」や「作成にあたっての考え方」を共有する意図で作成しました。
 この記事の内容を参考に新しいMODを作っていただくのは大変光栄ですが、作例の素材の流用・デザインの模倣はお止めください



テクスチャを作り始める前に


テクスチャの作成にあたって、テクスチャのファイル構成や解像度などの基礎知識、テクスチャに使えるフリー素材サイトの紹介や、ベーステクスチャの作成方法などはこちらの記事をご覧ください。スカイリム用の資料としてはどこよりも詳しく判りやすくまとめられています。練習用のファイルもありますよ。

SkyrimMOD作成wiki - テクスチャ作成
テクスチャを作成するための基本的な知識の習得と実践。



モデリングやNifSkopeでのメッシュ構築がひと段落したら、どんな見た目にしたいかを具体的に考えはじめましょう。
考える足がかりとしては、まず作っているモデルで一番の特徴は何かを考えます。形、装飾、質感など、MODのウリになりそうな部分ですね。いくつかあるのなら、一番大事にしたい部分、その次に大事にしたい部分…など、優先順位を考えておきます。
そして、考えを整理できたら、実際にテクスチャに使う素材を集めていきます。写真やイラスト素材を使う場合はライセンスフリーの画像素材サイトを複数見て回ったり、自分で描く場合は仕上がりを想像しながらブラシ・パターン・エフェクト素材などの描画や加工に使う素材を探して、ためしに作りかけのモデルに反映させてみてください。

可能であれば、この時間をできる限り長く取ってください。ここで思考したことが、モデリングの良し悪しよりも遥かに大きく仕上がりに影響します。



食べ物:洋菓子(Melt in the Mouth)


Nexusで公開しているお菓子MODこと「Melt in the Mouth」から、「Saturalia Log Cake(ブッシュドノエル)」の土台のロールケーキを例にして説明していきます。いつ見ても美味しそうですね。

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テクスチャ構成は、土台になるロールケーキが1024サイズ、その上に乗っているオーナメントが512サイズです。食品のリソースにしては大きいかもしれませんが、見本画像に使用している銀食器のリプレイサーMODに合わせています。

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食べ物のテクスチャを作るにあたっては、実際の食べ物を撮影した写真以上にクオリティの高い素材は存在しません。どんな架空の食べ物も、リアルなものはイメージに近い品物の写真から作られていると考えてよいでしょう。

また、食べ物はシンプルな形になりやすいですが、モデルを作る際に一工夫することでよりリアルにできます。例えばこのロールケーキは表面のクリームの厚みを出すために角を面取りしてあって、面取りの部分までクリームのテクスチャをあてています。
こうすることで、クリームとスポンジの間の描画にかける手間もなくなりますし、見た目もキレイになります。

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写真を加工して素材を作る

テクスチャ用に用意した素材はこちらの写真。
フリー素材サイトからダウンロードしたブッシュドノエルの写真と、自分で撮ったロールケーキの写真です。ブッシュドノエルの写真はロールケーキの表面に、ロールケーキの写真はそのまま断面に使います。
完成品と色も角度もまるで違いますが、これから加工していきます。

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まず、ロールケーキの写真を素材として使えるように加工します。いわゆる「ゴミ取り」ですね。
この写真はロールケーキを「ただ単にカットしてお皿に乗せた」だけのものなので、素材として使うために何の配慮もされていません。というわけで、カットしたときについたスポンジのカスをコピースタンプツールで消します。
また、スポンジの気泡が気になったので、キメが整うようにしました。

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次に、ブッシュドノエルの写真からクリームの部分を取り出します。
クリームの部分を範囲選択して新しいカンバスにペースト、ガイドを引いてから自由変形や遠近法ワープなどで平行になるように変形します。変形後、丸で囲んだあたりに歪みが残ったので、ワープ変形で平行になるようにしました。
また、使いやすいように色相・彩度で彩度を-100にしました。

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ディフューズマップを作る

素材の準備ができたので、モデルから出力したUVマップをテンプレートにしてディフューズマップを作ります。
ロールケーキの断面は、①向きが逆だったので左右反転してから、②UVに合うように自由変形やワープ変形で形を整えます。
次にクリームは、①UVの方向に合わせて90度回転させてから、②まず中央を境に右側に形を合わせます。右側ができたら、③複製して左右反転し、左側に合わせます。

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さて、ここでケーキの色について。
上の画像だともう色が変わっていますが、色を変えるのには調整レイヤーを使うか、新規レイヤーに色をベタ塗りして透過させる方法があります。

調整レイヤーはレイヤーパレットの下部にボタンがあるので、これを押して補正モードを選びます。これが一番簡単だと思います。手っ取り早く色を変えるなら、色相・彩度かカラーバランスを使います。

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ベタ塗りレイヤーを使う場合は、新規レイヤーに塗りつぶしツールなどで好きな色を塗ります。透過させるにはレイヤーモードを乗算やカラーにします。濃いと思えばパレットから薄い色を選び塗りなおせばいいので、こちらは直感的かもしれません。

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どちらを使うかは、そのとき作っているもので取り回しの良いほうにします。

写真加工は基本的に元の画像は編集しません。一度で適切な加工ができるとは限らないので、いつでも元の画像に戻れるように、または加工前後の比較ができるように必ずロックをかけて取っておきます。

上手くレイヤーを使って納得いくまで調整できたらディフューズマップは一旦終了です。



ノーマルマップを作る

次にノーマルマップを作成します。
ディフューズマップからフィルタをかけて作成するのが簡単です。私はPhotoshop CS4で作業するのでNVIDIA Normal Map Filterを使いますが、xNormalなど使い易いツールなら何でもよいと思います。

NVIDIA Nomal Map Filterでは、Scaleの数値でノーマルマップの深さを決めることができます。今回は、まずはScale=5で作りました。しかしScale=5だと断面はちょうどよさそうですが、クリームのヒダの部分はもう少し深くしたいです。

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というわけで、Scale=5で作成した画像は取っておいて、新たにScale=7で作成しました。
そして、欲しいクリームのヒダの部分だけをScale=5で作成した画像に貼り付けます。これでちょうどよさそうです。

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スペキュラマップを作る

最後にスペキュラマップですが、これはノーマルマップの中のアルファマップです。
アルファマップなので、白=明、黒=暗となり、グレースケールで描画します。
手っ取り早く作るなら元の画像を色相・彩度で彩度-100にするか、白黒で色を抜きます。ためしに彩度-100にしたのがこちらです。

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スペキュラマップは、ゲーム内では思っている以上に明るく表現されます。
この程度の濃淡だと、全体的にツヤツヤしてしまい、せっかく写真を使ってリアルにしたいのに、ビニールかのような不自然なツヤになってしまいます。


そこで、出したいツヤをイメージしながら色補正をしていきます。
①スポンジはツヤを出したくないので黒に近い色に、②断面から見えるクリームは白く滑らかでツヤがあれば美味しそうだと思うので白に近い色に、③表面のクリームはココア色ですが塗り均してあればツヤが出ているはずなのでグレーに、代わりにヒダは光が当たらないので黒に近い色に。それぞれ調整します。

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これでテクスチャのセットが揃いました。ゲーム内で確認して問題なければ完成です。

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Category: Skyrim関連
Published on: Mon,  18 2016 17:55
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